UFOに吸い上げられていく地球人・・・
を見ている犬を描いたSF切り絵「イヌミル」という作品は、
もともと8年ほど前に制作した作品でした。
画像の作品は、その「イヌミル」の2023年版です。
たて90センチ、よこ30センチと縦長の作品。
この「イヌミル」という作品のファンであった方が、
「自分も作品の中に入りたい!」
というご依頼により、この度あらたな作品として生まれ変わりました。
8年前、初の個展を開催した際に展示した「イヌミル」は、当時あまり評判は良くなかったです。
八田自身としては、「UFOがさまざまな人々を吸い上げる」というシュールな画が面白いと思って作っていたのですが、「技術」や「表現力」が伴っていなかったように思います。
この、記憶の片隅に追いやられていた自作品について今回、当時個展会場へ足を運んでくださっていたお客様から、リメイクのご依頼を受け、あらためて見直した次第です。恥ずかしながら。
いま見直すと、もっと自分は攻撃的かつ自由だったなということを思い出させてもらえました。
あえてオリジナル版の画像は投稿しませんが、粗削りなところもひっくるめて「かわいい作品」ではありました。
さて、つっこみどころ満載の本作ですが、この作品のなかの人々に、どのようなエンディングが待ち受けているのでしょうか。
みなさんも想像してみてください。
そのカギを握るシルエットが、UFO吸い上げ口の一番近くにあります。
UFO内にねずみさえいなければきっと、彼がこの窮地から脱却させてくれることでしょう。
同じ群像画であるブリューゲルの「バベルの塔」が絶望の作品なら、この「イヌミル」は希望を描いた作品といえます。
だからといって一番下のラーメン屋の人が、「希望軒で働いているのでは」と推測するのはいささか勇み足です。
ちなみに作品では、ご依頼者さまのほか、八田も吸い上げられていく様子が描かれています。
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