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年々、作品の完成までの時間が長いなあと自分で思います。怠けてるってわけではなく。

以前ブログで、「学ぶことも増えていくから選択肢も増える、精神性も変化するから完成のジャッジを下すまで時間かかる」といったことが理由であると書きました。

まあ結論として、だから仕方ないか、とまるで諦めのような受け入れのような境地に達している、としました。

・・・が、気になるのは他の人はどうなんだろうということ。勿論、作品の内容や手法などによって様々です。ですが、気になるんです。絵画・立体といったアート作品以外のジャンルのアーティストはどうだろう。音楽や小説などなど。

話は飛びますが、ブラームス。かの有名な作曲家の大家ですね。この人は交響曲第一番の構想から完成までに20年の歳月をかけたといわれています。

だからと言って、20年間毎日、朝から晩まで向き合ったわけではないだろうし、ストップして別の作品手掛けたり、行き詰ったり、養生期間つくってあえて手放したり、迷ったり進んだり様々な期間を経ての20年と思われます。

で、ブラームスってベートーベン兄さんにすごく憧れ抱いてた人です。

「ベートーベン兄さん越えてやる。兄さん越えられなきゃ意味がない。越えられない作品なら人前には出せない」

作品づくりに対してそういった思いを強く持っていたと思われます。

それでぼくはこう思うんです。おそらく、ブラームスはベートーベン兄さんを意識するあまり、

作品に対する自己肯定感の意識が低くなりすぎていたんではないか

と。

ぼくはベートーベンよりブラームスの方が好きなんです。なんか、ベートーベンを意識しつつもがき苦しんでいる中で生まれてきた音楽、苦渋の魂の一滴、という香りが曲から沸き立ってきてる気がして、愛おしい。

最近感じるのは、このブラームスにぼく自身似たところがあるなあってことです。つまり作品に対する自己肯定感が低いのではないかと。

「もっといい作品を創らなきゃ!」

という気持ちが、ある時期から強くなり、ストイックになったり根を詰めたりしていくようになった自覚があります。

「こんな自分ではだめだ、もっと勉強して、もっと深く向き合い、自分を律してこそ素晴らしい作品ができる」

ということへの執着ですね💦

良いか悪いかは別として、そういうアプローチしか選択肢がないというか・・・性格の問題なんでしょうね。趣味嗜好が変化していくように、こういったことも年を重ねていずれ変わっていくものだとは思っています。

そしてつい先日。

ぼくの絵画教室へ入会したばかりの7歳の女の子。初めての教室の日、その子がアトリエにあった作りかけのぼくの作品に興味津々の様子。

ぼくは「それ、まだ途中なんだ」と彼女に説明した切り絵作品は、8割がた完成していましたが、まだまだ手を加える必要がありました。・・・必要があるって信じていました。

ところがその子はぽつりと言います。

「ええ?! これのどこが途中なの??」

この言葉を受けてぼくは直感的に「これで完成にしよう」と決めました(笑)

この時ぼくの頭には「糸」という日本映画のことが浮かんでました。菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんの映画ですね。

映画の中で、菅田くん演じるパパが国際的なチーズコンテストに向けて、おうちのキッチンでチーズ開発に熱中。ノートに何やら書き込んでは「違うなあ」なんて首をひねっているシーンがあります。ここで幼い娘ちゃんがパパが散らかした「失敗作」の中からひとつのチーズを口にして言うのです。

「これ、おいしい!!」

「ホント!? これ美味しいの?」

そしてそのチーズがやがて国際コンクールで受賞して・・・といった展開になります。

作品とか料理とか、ひとつの事にひとりで向き合ってると、ひとところにフォーカスし過ぎてもうわけわかんなくなるときがあります。先日も知人の料理人が店の新メニュー開発中、奥さんに何度も味見してもらいながら

「よくわからなくなった。結局一番最初につくったやつが一番!!」

となったそうです。

みんな同じなんだなあとしみじみ思いました。

とにかくぼくは映画「糸」を思い出して、ああおれも菅田将暉と一緒。おれ菅田将暉とクリソツ。クリソツ菅田将暉。これ菅田将暉主演で映画化してくれへんかな、などと思いながら、きりきりと自分追い込むのも大事だけれどさらっと軽やかに事に当たることも大事だなと教えられた次第です。

自分を許せたり、癒せるようにしてくれたもの。それがぼくにとっては「アート」というものでした。

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