2017年に東京で開催した個展のために絶対に必要なもののひとつが特注の額でした。
この個展でぼくが皆さんに見て頂きたかった世界。それは額そのもののサイズから仕様から、完全にオリジナルの物を作らないと成立しないものでした。
ぼくは、けっこう手先が不器用なので、自分でそれらを作る、という発想ははなから捨てていました。
それで、信頼できる大工の方にお願いして、先日から試作品制作に着手して頂いておりました。
そんなわけで、ある夏、準備に向けて神河町の某所へ足しげく通う日々を過ごしました。
この写真は試作品第一号を見せて頂きたときのもの。
ばかでかい額なので、ぼくが現地に到着してから、最終の組み立てをしてくださいました。この額へ当てはめるぼくの切り絵は約1,5m×1m。組み立てるのも大仕事になります。
熟練の方で、とにかく手が素早い。でもって、定規も使わない。ぼくはまるで他人ごとのようにじぃっと流れる作業を鑑賞していました。
作品自体は額に入れつつも、むき出しで見せたい、というぼくの要望のために慎重に手作業を繰り返してくださいます。
どんな動きも正確で早い。
道具も的確に使いはる。
当たり前っちゃ当たり前のことなんでしょうけれど、
そんな様子を目の当たりにできることが、
ぼくは楽しくて仕方がない。
人が仕事をしている姿を見るのって、
本当に幸せです。
世間話をしつつ、
その様子をウキウキしながら見る。
ガンダムのプラモデルを父親に作ってもらってる、
それを見てる、
幼いころの自分になった気分。
あ、そうそう、こんな世間話も。
近所の飲食店の方が、定休日の今日も
下ごしらえのために
膨大な時間や労力を割いてらっしゃる、
そんな話も聞けて、喜びがまたぐっと盛り上がる。
働く人の姿勢って、本当に綺麗。
で、そうこうしてるうちにですね、
あ・・・
額、組み立て完了したんですが。。。
あ・・・
サイズ間違ってる。。。
慌てるなかれ。
切れば大丈夫(笑)
で解決
それに試作品なんで、こういうことを未然に防ぐチェックのために来たんだから今日は!!!
よかったよかった
ぼくが制作する「白い切り絵」は2種類のサイズで作っていて、それを壁に掛けず、自立した状態にでる額を作ってもらいました。
重すぎてもだめだし、ある程度の強度も必要で、とても苦労して考案してくださいました。
切り絵アーティストHachiがどうしてもみんなに見てもらいたい世界でした。同じことをやっている切り絵アーティストさんがいなかったので、とにかくこういう別世界のプロの方々にご相談して、多くの協力をいただいた個展でした。
ほんとにわずかな修正のみで、
ぼくのイメージ通りに仕事を進めてくださっています。
このめっちゃ暑くなる時期に、
かなりの無理を聞いてもらいました。。。
本当に感謝いたします
この個展は2017年9月~11月までの三か月間、開催しました。たくさんの人々からお褒めの言葉を頂き、とても有意義な発表の場となりました。
それだけ苦労と時間をかけた甲斐があったというものですが、やはりこの大工の方を始めいろんな方々の力をお借りしたおかげです! なにせぼくがひとりでできることって限られていまして・・・この個展のときはそれをいたいほど実感しました。
MUSE~いのちのためのオムニバス~
という個展は、さまざまな女神または女神のような存在が、この世の困難や苦難に癒しをもたらすような場面を一つ一つイメージし、大きなテーマ「いのち」につながるように描きました。
また、自立した白い切り絵に、鑑賞者のみなさんがペンライトを当てて、壁面に映る新たな影絵も楽しめるように仕掛けました。
普段感じることのない心温まる素敵な時間をいただきました! 新しい空間の発見に感謝いたします
ひとつひとつ丁寧な細やかな作業に感動しました。光の色や当て方でいくつもの表情が楽しめる!
ひとつの空間に切り絵のこまやかな引用が織りなす作品に想像力が掻き立てられました。
切り絵と聞いて、もっと簡単なものを想像していましたが、とても繊細な作品なので驚きました。これからもどんどん美しい作品をお願いします!
感動、のひとことです! 良いものを見せていただきありがとうございます!
2次元の世界から3次元を表現されていて感銘しました!
とても素晴らしく、芸術作品だと思います!! ファンになりました。どうか今後も都内で(個展を)お願いします!
自分を許せたり、癒せるようにしてくれたもの。それがぼくにとっては「アート」というものでした。
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