![](http://kiriehachiart.com/wp-content/uploads/2023/01/加工-852x1024.jpg)
2021年 切り絵作品
F15(652×530mm)
~自身の作品にささげる、ポエムのような解説のような言葉~
私「あ、蝶」
蝶「あ、にんげん」
私「蝶が、後ろに行ってしまった」
蝶「にんげんが通り過ぎていく。あっちへ行ってもなにもないのに」
私「そっちにはなにもないよ」
何年か前、ひどい渋滞に巻き込まれて長時間、車に閉じ込められていた時、思ったことがあります。
スイスイ進んでいく反対車線を見ながら、
「ああ、ええなあ。あっち側の車線へ行きたい」
と。。。
車をスムーズに走らせて気分良さそうに過ぎていく、反対車線の人々。
一瞬、「あっち側を走りたい」などと訳の分からないことを考えた・・・
のですが、よくよく考えてみると、反対車線走ってみたところで目的地には着かない(笑)
むしろ遠ざかっていく・・・
今でもたまに思い出すんです、この時のことを。
その場しのぎでなにかを羨んだり、逃げ出しそうな時にはっと我に返るわけです。
目先のストレスを解消することと、本来の目的が必ずしも一致するわけではない。
「いやいや、みんな、全員、目的地が違うんだから」と。
上り坂だろうと、木々が生い茂って通りにくそうだろうと、自分の目的地までの道は自分だけのもの。自分のやり方・ペース配分でしか決して到達できない。
そこで待ち受ける景色は・・・ごっつええんちゃうん?
この作品は別にその気持ちを表した作品、というわけではありませんが、そんな他愛のない、小さな世界の日常に置き換えてアート作品を鑑賞するのもまた一興です。
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