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大人が思う「こういう絵を描いてほしい」という理想について。

お子さんの絵。つたない表現ではあるけれど、どこの誰の作品よりもこの世で最も貴重なアートです。ピカソよりもゴッホよりもモネよりも。

でも、だんだん上手になってくると、ついつい口出してしまいがちになりますよね…。

太陽は〇〇色!
お花の形はこう!
人の手足はこう!

お気持ちはわかりますが、常識的に誰でもするような考えに当てはめることはせずにいてあげてください。放っておいても最低限の社会性は嫌でも身に着く。心配無用です。

あと、絵の空白を無理に埋めさせようとするのもやめてほしいです。その絵はとりあえずそのままで。次の絵にとりかかるときに「今度は白いところをできるだけなくすように描こう」という課題を提示してあげてください。

また、小さいお子さんによくあるのが、お母さんがせっかく買ったスケッチブックを、どんどん素早い描写で埋めていく行為。買い与えた親御さんからすると「もっと丁寧に描いて」「ちゃんと色を塗って」と思うのも当然です。
ですが、ぐっと言葉を呑み込んでください。
まずは「描く行為」に喜びを感じさせる。
さくさく描きやすいペンで埋めてしまった安くはないスケッチブック。
「あとでこの絵には色を着けようか」
「ここに小鳥さん描いてあげたらもっと良くなるよ」
たとえばそんな言葉がけはどうでしょうか。
最近だと安価なコピー用紙を買い与えて、どんどん描かせてあげる人もよくおられます。とてもいいと思います。

大人が思う「こういう絵を描いてほしい」という気持ちはどうか置いててください。

絵は、感じたことを伝えるツールです。言葉も然り。意味不明にリピートすることも、たどたどしく声を発することも必要。いきなり理路整然とまとまった言葉でうったえかけるなんて芸当、大人でもそうそうできるもんじゃない。

現在プロのアーティストとして作品制作するぼくも、無意味な描写、いわゆるらくがきをする時間を大切にしています。そこからとんでもない傑作に発展するプロセスの可能性をよく知っています。なにげない吐きだしが、つぎの何かにつながる。他人から見て、些細であったり無駄に見えるものはあくまで第三者の見える世界。可能性というものは誰にも奪えないものです。

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