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お手本のないことをする。~個展「MUSE」に関する記録デンジャラスデイズ⑦

全10回に渡って、2017年11月24日に終了した個展「Muse~いのちのためのオムニバス~」開催の経緯と終了までをブログで投稿します。

ぼく自身が次の活動への資料と、今後の反省のために記録したブログです。

ぼくは切り絵アーティストとして活動していますが、同じように個展やグループ展などで作品発表をなさる方や、

アーティストの人ってどんな人間なんだろう??

と素朴な疑問を抱く方も、面白く読んで頂ければ幸いです!! 何か活動のお役に立ててもらえたらなお嬉しいです(^^♪

※若干未熟な発想や考え方に吹き出しそうになるところもあるかと思います。皆さんはそういう部分もふくめて、何かご自身の糧にしてください!!

第6話(前回)のブログ!↓  ↓

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第7話 お手本のないことをする。

いったん手放してみる

この時点(2016年)で、個展開催は来年春ごろ、という予定でした。厳密な日程は決まっていませんでしたが、半年以上先とはいえ1年を切ってました💦

ぼくは一旦、頭の中からこの企画を放りだすことにしました。

普段、作品を制作する時もそうですが、ぼくは数点の作品を同時進行で手がけることが多いです。その方が1人よがりに思考と技の泥沼に陥ることなく、気分転換も施しつつまんべんなく臨めるからです。余談ですが、小説以外の読書のときも、同じようなテーマのものを3冊ほど同時進行で読みます。ひとところに気持ちを注ぎ込むと、周りの世界が見えなくなりやすいぼくの性格に合った方法なんです。

だからまず、別の動きに気持ちを向けることにしました。

100人の女性モデル

当時のモデル募集広告

気分転換も兼ねてぼくは2016年秋から、「女性を100人モデルにして切り絵を描こう」と決めました!

※2022年現在も継続中。「モデルになりたい!」という方はぜひ申し出てください(^^)/(ギャラ出ません、絵のコピーは差し上げます)

100人には、アトリエに来てもらってデッサンとクロッキーを行う。会って話して、温もりを間近に感じて描いた女性を作品にしていこうと決めました。

この時点では、100人ぶんの切り絵を2年後くらいに一気に展示しようと考えていたんですが。

今思うとかなり無茶な提案です💦 とりあえずこの年に何名かモデルになってもらいました。

実際にモデルを受けてくださった方々の一部

むき出しの切り絵

その間に個展の内容について、少しずつ考えていました。M氏の提案する、「白い切り絵を宙づりにした展示」が、今ひとつ自分の表現として腑に落ちなくて、いろんな角度からイメージし続ける日々でした。

発想の出発点として、自分が今までにやったことがなく、また観る人も心躍るようなものにしたい、というのがありました。

ぼくがやったことのない「裏からも表からも見れる切り絵」は、やっている人はいる。そしてそれは、アクリル板等の透明なものに貼りつけ(または閉じ込められている)、両面から見れるものです。ぼくは思いました。

これを、素材(紙)そのものをむき出しのまま展示できないかと。

透明の素材は光を帯びる。額におさまった作品はとてもきれいだけれど、なんだかテラテラと光っている。むき出しの作品そのもの持つ静けさを、そのまま伝えられたらいいのに、と思いました。

そして、それを

人の身長こえるくらいバカでかい作品にして、作品の裏側から記念撮影したりできたら面白いのではないか!

また、光を当てて壁面へ絵を映し出して、原画自体とそれを基にした影という現象も鑑賞の楽しみにできる!

ぼくは、「つり下げる」というオブジェ感より、あくまで絵画作品としての存在を強調したかったんです。絵画であることにこだわりたい。だから、白い切り絵を出来る限り巨大なものにして、それを木枠で収め、壁に接触せず、という展示にしたかった。実現には、色々クリアしないとだめなことがありました。なにしろ思いつき、お手本がない💦

木枠はどうする? 既成の額では無理だ。普通の額と違って背板のない状態となると、お手製でつくって最大強度はどれくらいのサイズなのだろう。そしてそれをどうやって壁にも掛けず展示する? 白い紙は何を使う? ペラペラのものでは木枠に収めたら、波打つ。また、硬いと切りにくく、思い通りの表現ができない。また、そんなバカでかい紙を汚さず、皺も作らず作品にし、どう保管して次の作品に着手する? そして最終的にそれらをどう梱包して運ぶのか…。

お手本がないことをするのだ。四の五の言わず、とりあえず始めよう。でもワクワクしてきましたこのとき!!

つづく

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