「三つの月」という作品です。
色彩のある八田作品の中でも、白黒のみで仕上げためずらしい切り絵。
作品展でいつも人気の高い作品です。
ぼく自身も思い入れが強く、お気に入りの一作でもあります!
この「三つの月」は、なにを隠そう2017年、フランスのお城で展示されたことがあります。
このクロ・リュセ城は、フランスのロワール地方という場所にあるお城。
かの、レオナルド・ダ・ヴィンチが最後の3年を、住まいとして過ごしたという来歴のあるお城です。
ダ・ヴィンチ没後500年にあたる2019年に向けての3年間、このクロ・リュセ城では音楽・作品展示・パフォーマンスなど、各国から様々なアーティストを招いてお祭りがおこなわれました。
その、栄えあるお祭りに出品させて頂けるということで、この「三つの月」を選んだのには理由があります。
まず「白黒」作品である、ということです。
黒を基調にした「三つの月」は、それだけで西洋の人々を魅了できると確信していました。海外の人々が見る「日本人の使う黒」というのは、とても神秘的にうつるそうです。
スペインの抽象画家・ミロは日本の「墨」に魅了され、来日後に黒を多用するようになったほどです。
もちろん海外にも黒を使った作品はありますすが、われわれ日本人が、この国に生まれてから生をまっとうするまで目にする、髪、瞳、書・・・自国のあらゆるものが黒であふれています。そんな土壌にあって、生まれ育った日本人アーティストが使う「黒」はやはり特別な色として、西洋の人々の心をとらえると考えました。
また、「三つの月」で描いた女性の姿は、この出品以前に幾度か「八田さんの自画像に見える」と言われておりました。
偶然にもダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」も、同じような感想を持たれてきた絵です。
「モナ・リザは、ダ・ヴィンチ自身を描いたのではないか」と。
そんなダ・ヴィンチを祝う催しに並べる八田作品。やはりここは「日本人アーティスト八田流モナ・リザ」ともいえる「三つの月」を送り込むしかないな、と思ったのです。
出品の記念に、作品をラベルにしたワインを、現地で振舞っていただきました。
作品購入に関するお問合せ
himeji.hachi@gmail.com(はった)
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