人生を変える…かもしれないささいな何か。
皆さんにとって「人生を変えた一言」はありますか?
「人生を変えた出会い」
「人生を変えた事件」
なんでもかまいません! 皆さんにも、そういう忘れられない場面はいくつかあると思います。
さて、ぼくにもそういう
「人生を変えた一言」というものがありまして…
そしてそれは、そのまま
自分のブログページのタイトルにまで使用しております。
「そのパン、美味しそうやなあ」
この一言なんです(^^♪
これがなんで
「人生を変えた一言」なのか・・・
その由来をご説明しますね!
ばかにされていた日々
小学校1年か2年の時だったと思います。
言ってくれたのはこの2年間の担任だった高橋先生ということだけはしっかり覚えています。
学校からパン工場の見学に行きました。
ベルトコンベアーで運ばれてくる、
出来立て、
あま~い匂いの立ち込めるパン工場。
先生や親以外の大人たちと出会い、
日常では立ち会えない空間で過ごす。
子どもにとっても、
大人にとっても、
未知の体感って重要ですよね。
そんな工場見学から戻ってすぐ、
「パン工場見学の絵を描きましょう♪」
という授業が。
感動と興奮冷めやらないまま、
ぼくたちは工場の様子、
そして何よりもあのおいしそうなパンを絵にしました。
ちなみにこの当時のぼくはというと・・・
ちょっといじめられてる子でした。
まあ今思うと
「ばかにされてる」
くらい程度だったかもしれませんが。
髪が長く、顔つきもかわいらしかったので
「女みたい」
「おんな~、おんな~」
「女や~」
ってよくからかわれてました。
そしてこの日。
そんなぼくが絵を描いたり、みんなを笑わせることで自分のポジションを確立するというか、一目置かれるようになる
きっかけともいえる日になります。
ぼくが描いた絵を見て、
高橋先生がこう言いました。
みんなの前で。
「そのパン、美味しそうやなあ」
と。
「うまい!」
「上手♪」
とかではなく
「美味しそう!」
なんです。
ぼくが絵で伝えたかったことがちゃんと伝わった!!!
大人から見ると、
決して上手な絵ではなかったかもしれません。
でも、技術の向こうにある
作者の想いというものは伝わるんだ・・・
そう思いました。
いや、小学生当時のぼくがそこまで思えたわけではないですが(笑)
大人になった今、そう実感します。
今でも、自分の技術を見せるということに執着せずアーティスト活動を行えているのは、この高橋先生の一言のおかげです。
現在のアーティストHachi
何を問いかけるのか…
そして今、アーティストHachiは、
自分の作品に対して
「上手く出来ているか」
よりも
「ちゃんと伝わっているか」
いつもそう問いかけます。
そしてこれは生徒たちにもぼくが伝えておきたいことのひとつでもあります。
形が上手に描けているのか、
構図がおかしくないか・・・
そういったことも大事ですが、
それらよりも優先してほしいことがあります。
「そのリンゴは丸いのか、あまいのか」
「その人物は優しいのか、怖いのか」
「その風景の町はにぎやかなのか、さびしいのか」
アートの行為は生活の中にある
ぼくは
「絵を描く」「絵を人前で発表する」
という一連の行為は、人生のなかのあらゆる場面に生かせることだと思っています。
描いた絵が笑われないだろうか、
「何が描いてるかわからない」と言われないか、
といった不安ばかり先走って、絵が描けなかったり、見せられなかったり・・・
そういったフィルターに邪魔されずに「想い」を発揮できるようになる。
そんなふうに一人一人が自立できれば、ほんとに素敵だと思うんです。
ピアノを弾く、
ギターを弾く、
野球をする、
文を書く、
ラジオにネタを投稿する。
皆さんそれぞれの表現。
ぼくの生徒たちも(子供も大人もふくめて)、アート以外の何かでいいから胸を張って荒波を乗り越えられるものを持ってほしいと心から願います。
そしてぼくはそんな彼らにとっての
「高橋先生」
でありたいのです!
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