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あやまちから生まれる、使命へ。

ずっと伝えたかったことがある。

ここ数年、サラリーマン時代に受けた心の傷について人に話してきた。

まだ「パワハラ」だの「ブラック企業」だのいう言葉がちらほら出始めたころの話だ。

ぼくはこの頃の自分の置かれていた状況について、自分を「悲劇のヒーロー」であると思ったことはただの一度もない。

ここで学んだことは、こうだ。

「人は、自分が受けた行為を他者に為す」

ということだ。

ぼくの在職中に、何人もの新入社員が入っては辞めていった。

ぼくは彼らに対して、されたことをそっくりそのまま行っていた。

客前でくさす、
ミスを上司に報告することで上司の信頼を得る、
出来ない彼らを責めることで「出来る自分」を確認する、
などの行為だ。

このどれもが彼らを育て、会社を前進させるものではなく、ただただ己の利のための行為だった。

サラリーは上がったが、そこで得た金はただただ自分の快楽のためだけに消えただけだった。

この地球上に美しい痕跡を残す可能性など微塵もない。

どんな環境にいても、おれたちはサバイバルを要求される。ときには足を引っ張ることでしか成立しない環境もあるだろう。
そこにとどまることも、精神的に脱出することも、おれたちの自由だ。

おれは脱出する方を選んだ。

「受けた行為を他者に為す」

おれは良い音楽をたくさん聴いた。
良い絵画をたくさん見た。
良い言葉をたくさんもらった。
大笑いする顔と顔を何人も見た。

これらの記憶は、おれだけの喜びとしてとどめてはいけないんだと、今は知っている。

自分一人のものにしてはいけない、
この世界にはそういう類のものがいくつもある。どんな種類の何をどう選ぶかはそれぞれの判断に任せるとして、「伝える」という人間に与えられた本能のような性質が確かに存在するのであれば、それを利用してやろうじゃないか、大いに。

アニマルじゃないんだ。

きわめて個人的な話題に変わるがおれは、

作品をつくり、誰かに見せて、笑わせたい。気の利いたことは何一つできないけれど、そうしたいんだ。
絵を教えて、学ぶ喜びに心と体が軽くなるような時間を一秒でも増やしたい。

なぜなら、おれと知り合ってくれた彼らだって、「受けた行為を他者に為す」のであれば、この輝きを永遠にとどめることをチームでできるんじゃないかと、信じているから。

何万人もいる、何億人もいる、この地上で。

これからも、おれはアートから受けた行為をあなたに、為す。

おれの罪と愛を抱きしめるようにしてアートを生み、出会った彼らに伝承する。
それは、アートと礼節をわきまえた距離を保ちながら踊る一夜の心地に似ている。
手を取り合う、アートの胸元が見え隠れするような距離の中、緊迫に満ちたダンス。

というわけで、皆さん、これからも応援よろしくお願いします。
もちろん批判も含めて引き続き。

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